私が手作り食に興味を持った理由

ペットフードの添加物については以前から興味(恐怖)を持っていました。ただ、手作り食というのは、栄養バランスやコストの点から、非現実的なことだと思っていました。「良質なペットフード」を与えていればそれほど問題がないだろう、とも思っていました。

しかし、最近ペットフードについての本を数冊読み、手作り食を実践していらっしゃる方のサイトをいくつか拝見するうち、試してみようかという気持ちが湧いてきました。ちょうど、今年、我が家で心臓疾患を持った子猫が産まれたことも影響していると思います。弁慶という猫は「肺動脈弁狭窄症」という珍しい病気で、治療のガイドラインもほとんどありません。遺伝疾患かどうかもはっきりせず(親・兄弟・親戚に同じ病気の猫は今のところいません)、猫の病気の本には「妊娠中に何らかの異常があって発生する可能性がある」というような書き方がされています。「妊娠中の何らかの異常」が、食べものに関わっている可能性はないんだろうか? そんな疑問もありました。

実際に、栄養のことを調べていると生殖機能や胎児への影響に関する記載も目につきます。また、市販のペットフードを食べている子は生殖能力が衰え、3世代続くと繁殖不能になる、という指摘もありました。市販フードに含まれる有害な物質が蓄積される結果だというのです(参考「ネコの食事ガイド」。

でも、市販フードを食べさせているブリーダーのところでも健康な子猫がちゃんと生まれているのを私自身が見てきているので、これらの記載が全てというわけではないでしょう。でも、完全に無視することはできませんでした。

今後もまた先天異常を持つ子や虚弱体質の子が産まれるようになったらどうしよう? それを防ぐ方法はないのか? そんなことを考えているときに、手作り食、ハーブやホメオパシーといったホリスティック医療に出会ったのです。

弁慶は今現在、心臓病の症状は出ていません。栄養バランスを整え、ハーブやサプリメントを活用することで、症状が出ないようにできないか、というのがひとつの現実的な問題です。そして親となる猫たちの身体をより健康にすることで、将来産まれてくる子猫の健康を確保したいという気持ちがあります。

ところで、西洋医学というのは、検査で悪いところを見つけ、その悪い部分を投薬や手術でなくそうという発想です。いわゆる対症療法です。しかし、ホリスティック医療とは、全体のバランスを整えることで病気を防ぐという発想です。対症療法の場合、一度治っても再発することが多いのに対し、漢方、ハーブ、ホメオパシーといった治療で治ると、再発しにくいという傾向があるような気がします。

以前、ハーブ研究家の方がこんなことをおっしゃっていました。「健康な苗には虫もつきにくいのよ」。人間や猫の身体も同じではないでしょうか。健康な身体はウィルスや細菌をよせつけないんだと思います。健康な植物を育てるには、バランスのとれた肥料と充分な水と太陽が必要ですが、人間も全く同じです。ミネラルやビタミンのバランスのとれた食事が健康の基本だと思います(私はわかっていながらなかなか実践できないのですが)。

そんなこんなで、手作り食に対する興味が高まっていたところで、参考になる本やサイトに出会い、手作り食のスタートをしてみたのです。

一番背中を押してくれたのは、猫ピカイアさんの運営する「お気楽ホリスティックケアー 猫・BBS」というサイトです。情報が盛りだくさんで、エクセルで簡単に栄養計算ができる表を配布しています。疑問に思ったことをメールや掲示板で質問すると、経験や資料に基づいたとても丁寧なアドバイスをしてくださいます。お肉やサプリメントのネットショップも紹介していただきました。このサイトに出会わなかったら、手作り食を始めることはなかったかもしれません。猫ピカイアさんには本当に感謝しています。

そして、我が家の猫たちが最初から手作り食を喜んで食べてくれたことが、継続の励みになっています。彼らは、ドライフードや缶詰も大好きだし、16頭の猫を完全手作り食で養うには手間とコストがまだ追いつかないので、ドライフードと手作り食を約半々くらいに使っています。

少しでも手作りに興味がある方は、週末だけ、とか週に1〜2回だけでもいいから手作り食を取り入れてみることをお勧めします。続けているうちに少しずつ興味や疑問がわいてくるはずなので、少しずつ栄養のこと、食材やサプリメントのことを勉強していけばいいと思います。最初は、お肉だけとかお気に入りの猫缶に野菜を少し混ぜる、というところからスタートしてみてはいかがでしょう?

腎疾患や糖尿病など食事をコントロールする必要が出てきた場合、市販の処方食だと再発する子が手作りに変えたら病状が落ち着いた、というケースも多いようです。もちろん、体質には個体差がありますから、手作り食を与えていても病気になる子はいます。手作りにしても治らない子もいるでしょう。でも試してみる価値はあるだろうと思います。

手作り食を作るときは、必ず栄養の計算をしていますが、毎回きっちり同じ成分割合にしているわけではありません。その時にある食材や、スーパーで安かった食材を適当に組み合わせ、足りないビタミン、ミネラル、オイル分などの量を計算する程度です。心がけていることは、1回に使う食材をなるべく多くすること(動物性たんぱく質3種類以上、穀類&野菜で5種類以上)くらいです。

人間が食べられる新鮮な食材で作ったフードは、栄養バランスが完璧でなくても市販フードよりきっといいに違いない、と信じることにしています。『猫にも手づくりごはん』の著者・獣医師の須崎先生も「アバウトでよい」「大切なのは続けること」とおっしゃっています。

私が手作り食をはじめたのは、2004年秋です。まだまだスタートしたばかりで、結果は何も出ていませんが、いつかきっと結果が出ると信じて、出来る範囲で続けていきたいと思います。もちろん、猫の栄養のことや病気のことはこれからも地道に勉強を続けて、時々このサイトでもご紹介できたらいいな、と思います。

2004年12月15日


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